今年の3月28日に、成田空港は年間の発着枠を20万回から22万回に拡大しました。
それにともなって、中東路線やマカオ航空(マカオ線)などが新規就航し、世界各国へのネットワークはさらに広がりました。
当時、成田国際空港会社(NAA)の森中小三郎社長は「27万回までは、大きな投資をすることなく増やせる」と説明し、「地域の理解を得た上で、誘導路や駐機場の整備を進めていきたい」と抱負を語り、当面の目標を「発着枠30万回化」に定め、実現に向けて取り組む意欲を見せていました。
NAAが発表した平成22~24年度の中期経営計画によると、発着回数は今年度の約18万6000回(見込み)から来年度は20万7000回に増える見込みで、その後も年約2%のペースで伸びていくと予測しています。
また、県を中心として、成田空港の認知度やサービス向上を支援する取り組みや、「成田空港緊急戦略プロジェクト会議」が開催されるなど、今後のあり方について活発に検討されています。
そして13日、国土交通省とNAA、千葉県、成田市など周辺9市町による「4者協議会」が、成田市内のホテルで開かれ、年間発着枠を現行の22万回から30万回に拡大することで合意がなされました。
この日の合意に先立ち、9市町は70回以上の住民説明会を実施しており、住民からは騒音対策拡充を求める声などが出た一方、「合意を急ぐべきだ」との意見も増えていたといいます。
いままで、成田空港の年間発着枠の拡大に慎重姿勢を崩さなかった周辺自治体が容認に踏み切った裏には、成田を取り巻く経営環境の激変への危機感がありました。
成田空港は、各国の航空会社が乗り継ぎ拠点として路線網を構築する「ハブ空港」としての役割を持っていますが、アジア全体でみれば利便性の高いバンコクや香港、さらには韓国の仁川空港に、ハブ空港としての役割を奪われているのが実情です。
そのため政府は、都心から近く、利便性の高い羽田空港の国際化にかじを切ったことにより、今までの「国際線を成田、国内線を羽田」とする棲み分けが揺らいできました。
そして、羽田空港の新国際線ターミナルが、今月21日から開始され、31日には32年ぶりで国際定期便も飛び立ちます。
NAAはまず、2011年にA、B滑走路の同時離着陸方式を導入することで25万回に増やします。
続いて、B滑走路脇に3本目の誘導路が完成する12年に27万回に拡大。
さらに、格安航空会社(LCC)専用の旅客ターミナル新設や既存ターミナル拡張などが終わる14年に30万回を実現させるという計画です。
7月の成田空港と日暮里を最短36分で結ぶ成田新高速鉄道(成田スカイアクセス)の開業で、アクセスの大幅に改善などの後押しもあり、今後は羽田空港とともに国際空港としての役割を担うわけですが、羽田空港の国際線発着枠は当面は年間6万回。将来を見据えても年間9万回程度にとどまるので、現在でも22万回の成田に羽田が取って代わる存在になるわけではありません。
成田と羽田という首都圏の2大空港の使い方が、日本が「アジアのハブ空港」としての地位を奪還するだけでなく、今後の日本の世界におけるあり方に大きく影響してくるのは確かなことです。
国と千葉県、騒音地域を抱える周辺9市町、成田国際空港会社(NAA)は13日、成田空港の年間発着枠を現在の22万回から30万回に増やすことで合意した。国内線と乗り継ぎしやすい羽田空港の国際化(21日)を前に、成田の求心力低下を懸念する声に後押しされた形だ。…
10月 14th, 2010