カラオケの発明者として知られる井上大佑さん(70)の手書きメモの著作権が2万口に分割され、各地のお年寄りらに1口100万円以上で売られていることが分かりました。
井上さんは兵庫県西宮市在住で、1971年ごろにカラオケ装置を発明。
特許をとらなかったため巨額の権利収入をふいにしたと、後に話題になりました。
ユーモアにあふれた科学研究などに贈られるイグ・ノーベル賞を04年に受賞し、米誌「タイム」の「20世紀で最も影響力のあったアジアの20人」にも選ばれています。
販売されているのは「カラオケを創(つく)った男」と題した文書の著作権。
本名の「井上祐輔」名義で昨年1月、文化庁に最初の著作権譲渡が登録されました。
著作権譲渡とは、著作権(小説やエッセー、音楽、絵画などの著作物が創作されると発生する権利)を譲渡することです。
著作権は、財産権の一つとして、第三者に譲渡したり、遺族が相続したりすることができ、死後50年までは保護されます。
譲渡したことは、望めば文化庁に登録でき、手続きには著作物を提出する必要はなく、通常は書類がそろっていれば認められます。
著作権譲渡の大枠を考えて井上さんに提案した東京都内の知的財産管理会社「ウイングラボ」によると、文書は15枚前後の手書きメモで、井上さん自身の生き様やカラオケ1号機の設計図などが書かれているといいます。
井上さんらの説明では昨年5月ごろから、都内や大阪市、福岡市の代理店などを通じて、2万口に分けた著作権を1口100万~150万円で売り出しました。
購入すると、著作権が保護されている間は毎年、口数に応じた「権利金」が得られるとしています。
この権利金は、カラオケに関する文書について別途、米国で登録した著作権が、米国内で権利の侵害を受け、相手先に警告をして何らかの金を回収できた場合に支払うことになっています。
しかし、そうした認識がなく、確実に配当があると勘違いして、購入した人もいます。
また、一部の代理店は「カラオケ市場の著作権料から毎年50万~100万円振り込まれる」と説明したパンフレットを配っていました。(この代理店は最近になって、不法行為だったとホームページで謝罪しています。)
これに対し、井上さんは「私には、救助犬の訓練施設やペットと暮らせる老人ホームなどをつくる夢があり、著作権販売でそれが実現するかなと思った。証書は私の夢への賛同を形にしたものだ。権利金の配当は確約していない。権利金は日本では入らない。でも米国では、日本人には考えつかないような著作権の使い方ができる。そういう弁護士と面接して契約したい。配当を確約して販売した例があれば、絶対違法で全くのオーバートークだ。文化庁から問い合わせがあれば、説明に行く」と話しています。
文化庁は、カラオケで歌われることで収益を生む楽曲の著作権や、カラオケ装置の発明に関する特許権と、井上さんの文書の著作権が混同されているとみて、事実関係の調査をはじめています。
「米国も著作権制度の基本は日本と同じ。著作物がどんな利益を生むのか、冷静に考える必要がある」と文化庁著作権課は話しています。
消費者庁によると、全国の消費生活センターに50件以上の苦情や相談が寄せられているといいます。
文化庁の著作権登録原簿にはこれまでに、個人の購入者や代理店など計53者への譲渡が登録されています。
さらに個人への譲渡の登録が30件以上申請されてますが、文化庁は9月から、これらの登録を凍結しました。
カラオケの発明者として知られる井上大佑さん(70)の手書きメモの著作権が2万口に分割され、各地のお年寄りらに1口100万円以上で売られていることが分かった。…
10月 14th, 2010