9月7日当日、尖閣諸島付近で海上保安庁の巡視船に中国漁船が衝突、公務執行妨害容疑で船長を逮捕しました。
当初は、仙石官房長官、前原外務大臣をはじめ政府関係者は、「(日本国の領土で発生した事件なので)国内法に基づいて粛々と措置する」と何回も表明していました。
一方で、中国政府からの執拗な抗議や報復措置が続きました。
日本にとっても、中国にとっても重要な貿易相手国でありながら、中国は、あえて領土問題を優先し、強硬姿勢を貫きました。
深夜未明に丹羽大使を呼び出し抗議を行ったのを始め、東シナ海のガス田開発に関する条約締結交渉の延期、閣僚級以上の交流の停止、電化製品や電気自動車に必要なレアアースの日本への輸出差し止めなどです。
民間レベルでは、中国人観光客による旅行のキャンセルが相次ぎ、総勢1万人の訪日旅行を計画していた中国の大手企業が旅行を中止しています。
日本政府はこのような中国政府のなりふり構わぬ圧力に対して無為無策で、ついに9月24日に、中国漁船の船長を釈放する決定を那覇地検が下すことになりました。
その理由は「国民生活への影響と今後の日中関係などを考慮した」ということで、まさしく無条件降伏の白旗を揚げることになったのです。
極めて政治的な決定理由にもかかわらず、政府は関知せず、すべて司法の判断で行ったことだとしています。
本来外交問題は司法(那覇地検)の行為ではなく行政(政府)の行為であり、もし今回の行為が那覇地検だけの判断であるならば、明らかな越権行為であり三権分立の立場から許されるものではないのです。
あるいは、何らかの政治的な判断で、政府から働きかけた結果だとしたら、その経緯を説明する責任を行政の長である首相が負っているのです。
いずれにしても、「粛々と国内法で裁かれる」としていた方針が、中国政府による理不尽な外圧で変更されたという事実は免れないのです。
閣僚級以上の交流の停止などの政治的圧力と中国人観光客の旅行中止やレアアースの禁輸など経済的締め付けにより、無条件に白旗を揚げざるを得なくなったのです。
さらに敗北が決定的になったのは、ゼネコンのフジタの社員が河北省で公安当局に拘束されるという事件があります。
地雷撤去作業の調査にあたっていた民間人を拘束して、日本の大使館員にも直ちに接見させないというあるまじき報復行為により、弱腰の民主党政権はもはやこれ以上、中国と対峙することは不可能だと判断したのでしょう。
まさに土下座外交の典型となりました。
とうとう日中関係は、通常いわれているような「戦略的互恵関係」ではなく、「屈辱的主従関係」に貶められることになってしまったのです。
民主党政権がいくら「那覇地検の判断を了とする」と強弁しようとも、これこそまさに「第二の終戦(敗戦)」なのです。
事実、海外のメディアは、「日中間の葛藤は日本の降参宣言で幕を下ろした」(韓国・連合ニュース)、「中国は外交的勝利と位置付けるであろう」(米国・ウォールストリートジャーナル)と明確に中国外交の勝利と報道し、「不況にある日本経済は勢いのある中国に依存している」(ロイター通信)として、暗に経済的締め付けによる敗北と認めています。
もはやいくら後悔しても、中国はこれまで以上に、政治や経済、ビジネスなどあらゆる面から圧力をかけ、自国に優位な立場を貫こうとするのは明らかです。
一度譲歩した日本は、これからも際限なく譲歩し続けなければならなりません。
その証拠に、中国人船長を釈放した後も、日本に対して強硬に謝罪と賠償を求めており、拘束された日本人ビジネスマン4名に関する日本の丹羽中国大使の会談要請も拒絶していたといいます。
しかも、フジタの社員が全員釈放された今も弱腰外交はそのままで、今回のきっかけとなった中国漁船衝突事件の状況を撮影したビデオ映像を、中国の顔色をうかがい、当面公開しない方針を固めているのです。
国際社会では「ルーザー(負け犬)」のレッテルを貼られると、待っているのは強国による搾取と敗北だけが残ります。
このままいけば「第三の敗戦日」も近いのです。
9月7日当日、尖閣諸島付近で海上保安庁の巡視船に中国漁船が衝突、公務執行妨害容疑で船長を逮捕することになる。当初、仙石官房長官、前原外務大臣をはじめ政府関係者は、「(日本国の領土で発生した事件なので)国内法に基づいて粛々と措置する」と何回も表明していた。…
10月 13th, 2010